ディルは、南ヨーロッパや中東地方などが原産とされ、現在はインド、パキスタン、アメリカ、地中海南東部沿岸地域で栽培されています。別名「イノンド」とも呼ばれるセリ科の一年草の種を用いたスパイスです。若葉の部分を乾燥させたものはハーブの「ディルウィード」になります。
柑橘系の香りと甘味、そしてほろ苦さが強く、穏やかながら後に辛味の残る味わいが、カレーやピクルスなどと相性が良いです。
紀元前から使用されている形跡があり、ヨーロッパではピクルスの風味付けが定番となりました。またアメリカでは、19世紀後半から20世紀初頭にかけてヨーロッパから渡ってきたユダヤ人によって伝わり、ピクルス文化が浸透しました。