米と魚を主軸とした日本独自の食文化に、幕末の開国と明治維新が転換期となって西洋料理が入ってきました。いわゆる洋食になります。文明開化とともに、一般の人たちの食生活も多様化していきました。その中で、クミン、ターメリック、ナツメグ、クローブなどのスパイスたちも、カレーや洋食で用いられるウスターソースの材料という形で、日本の食卓で身近になるようになりました。
明治5年に刊行された「西洋料理指南」「西洋料理通」などの書籍によって、日本で初めて「咖唎」(いわゆるカレー)の存在が広まったとされています。日本三大洋食と言えば、カレーライス、とんかつ、コロッケと言われたりします。
コロッケやとんかつといった洋食文化が一般市民の間でも浸透し始めたとされる大正時代になると、当時はライスカレーとも言われたカレーライスの人気は高かったようです。カレー粉とともに複数のスパイスを混ぜたミックススパイスという概念が誕生したのもこの頃と言われています。
SPICE KINGDOM商品をつくるケー・アイ・エスが産声を上げたのは、洋食文化が一般市民の間で定着した昭和初期―1931(昭和6)年のことであり、香辛料を取り扱う漢方問屋からスタートし、その後カレーの原料となるスパイスを卸したりするようになりました。