【スパイス世界史】紀元前の世界(ローマ、ギリシャ、中国)

【スパイス世界史】紀元前の世界(ローマ、ギリシャ、中国)

紀元前の世界のスパイスの記録―ここでは、古代ローマ、古代ギリシャ、古代中国について触れてみます。

①古代ローマとスパイス

インドの「アーユルヴェーダ」や中国の「中医学」の様に、古代ローマやギリシャでもスパイスやハーブを医療に取り入れてきたとされています。

しかし、現代のように成分や効果・効能を科学的に分析する事ができない時代。その独特の香りや風味に、他の植物とは違った効果を期待する、病気に対して精神的治癒力を発する効果としての、いわゆる「プラシボ/プラセボ効果」に近いものだったのではないかと言われています。

②古代ギリシャとスパイス

スパイスやハーブを医療として取り入れ始めたのは、紀元前数千年前頃からとも言われていますが、生体に及ぼす作用を分かりやすくまとめたのが、紀元前460~370年頃にギリシャで活躍した医学者ヒポクラテスと言われています。

この頃には既に400種類以上のハーブの処方箋を生み出し、ハーブの香りによる効果・効能にも触れています。まだ医学と呪術の境目があいまいだった時代に、病気を科学的にとらえて現代の医学に通じる基礎を築いた「医学の祖」とされる人物です。

③古代中国とスパイス

現代でも生薬という形でスパイスも取り入れている中国。その始まりは実に紀元前2500年前であり、スパイスを加えた香酒や香飯を神様へのお供え物とするなど、宗教的に重要な役割を担っていたそうです。

その後、漢の時代には香薬として取り入れられていたようで、宮廷の官吏が皇帝と政事(まつりごと)の話をする際には、1本のクローブを口に含んで口臭を消していたとされています。

その他、寺院や教会ではシナモン、クローブ、花椒などを空気を清める香煙として用いるなど、食用というよりは香りを重要視した使い方が主流だったとされています。

 

 

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