第二次世界大戦では日本は深刻な食糧難となり、戦後はアメリカの経済援助によって食品の輸入がスタートしました。
1960年頃から経済が回復し始めて高度成長期に突入し、次々とインフラが整備されていきました。一般家庭でも家電が普及し、スーパーマーケットが誕生するなど、食に関わる環境が大きく変化しました。
昭和30年代のKIS本社前の様子
戦前からの洋食だけではなく、中華料理やファストフードといった多様な海外の食文化を反映した料理が増えていくとともに、スパイスの需要も増えていきました。そのような時代の変化と共に、KISも様々な業態のお客様に業務用スパイスを供給するようになりました。
メディアが発展し、海外旅行も一般的になってくると、現地の味が日本国内でも知られるようになりました。タイやベトナムなどの東南アジアの料理をはじめとして、アフリカの料理、ブラジルなどの中南米の料理などを相称した「エスニック料理」が人気になり、スパイシーな料理としてスパイスの認知度を一層高める結果となりました。
近年では「激辛」ブームを筆頭に、「シビ辛」「旨辛」と言った、ただ辛いというだけではないフレーズをよく耳にするようになりました。こちらも唐辛子や花椒など、スパイスは切ってもきれない関係にあります。
ここ数年のコロナ禍では、日本ではおうちご飯やソロキャンプが盛り上がるようになり、そこでもスパイスは登場しました。カレーをスパイスを使って自分でアレンジする「スパイスカレー」に挑戦してみたり、「キャンプ飯」のおともでオリジナルのスパイスを持って行ったりするブームが起こり、スパイスはますます身近なものになったと言えます。
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《【スパイス日本史】バックナンバー》